脳の特徴を活かした運動

横浜筋トレスタジオの宮原崇です。

90歳代になっても自分の足で歩き、脳もしっかりしていて好奇心旺盛で若々しい人と50歳代で覇気がなく、身体の様々な不調を訴える人、この両者の違いということに対して着目をしていきます。元気な人に対して「あの人はそういう家系だよ」とか「普段から健康を意識しているからだよ」「よく歩いているからだよ」、不健康な人に対しては「全く運動しないからね」「普段から不摂生してるから」などと抽象的な表現をすることが多いかと思います。これをもう少し具体的に見ていくと「脳神経の可塑性(かそせい)」というものが見えてきます。「可塑性(かそせい)」とは脳のことを説明する時に、よく出現する言葉であり「一度変形をすると戻らない」ことを表現しています。粘土を押すと形が変形することをイメージしていただくと分かりやすいかもしれません。

スポーツでも長年練習をしていなければ下手になったり、外国語も使わなければ、いざ喋ろうと思った時に言葉が出てこなかったりするのも、それらに関与する脳神経が日常的に使われていないのは、なんとなく想像がつくかと思います。勉強も集中して行えば成績が上がったり、スポーツも質の良い練習を短時間で集中して行えれば、パフォーマンスが向上していきます。仕事も例外ではなく、面白いと感じていればパフォーマンスが向上して時間を忘れて仕事に没頭してしまいます。これは脳神経を最大に活用しれいる状態であり、「使うものは進化し、使われないものは退化する」という原則に節ています。脳神経のブラッシュアップや能力を最大に発揮させる為には「使って向上させる」の他に知っておくべき要素として、「使わなけらば退化するか、失われる」「向上させたい能力に特化をする=特異性」「その経験や練習を沢山繰り返す=反復」「限界に近いものに集中して挑戦する=強度」「多くの時間を費やす=時間」などがあります。一つ例を挙げるとするなら、いつも決まった行動パターン、決まった人との会話、決まった運動方法、決まった運動強度などで何も考えなくも、それらの行動が簡単に出来てしまい、脳神経に対して自動化されてしまっているものに関しては、行ってもあまり効果がなく脳神経の可塑性は起きづらい状態になり、刺激が少ないものになります。その為、ある程度のことをマスターしたら、また新しい経験をすることは運動や日常生活においても、活力を向上させる為に必須条件となります。痛みなどによる身体の不調、関節が上手く動かないなどの身体の機能不全に対して、運動療法で改善・予防をする場合も安静ではなく、痛みがある他の場所に対してアプローチして、いかに脳神経を退化させないことが必須となります。痛みに対しての安静は、脳神経に目を向けると「退化」「廃用」に相当するので、最も注意が必要になります。

運動は筋肉や関節を鍛えるだけでなく、脳神経を活性化させる為にも役立つことを理解していただけたら幸いです。

本日は以上となります。