👁️「見る力」が変われば、動きが変わる
〜視覚と身体のつながりから考える動作改善〜
■ はじめに
私たちは普段、何気なく「見て」「動いて」「感じる」ことを繰り返しています。
しかしその起点となる“視覚”は、単に視力の良し悪しを超えた、
極めて複雑で精密な感覚システムです。
視覚は脳と身体をつなぐ「感覚と運動の橋渡し」。
この機能が正しく働くかどうかで、私たちの動きの質や姿勢、
集中力、そしてパフォーマンスまでが変わってきます。
■ 視覚の多面的な機能
視覚にはいくつもの要素があり、それぞれが異なる役割を持っています。
- 静止視力:止まっている物を明瞭に捉える力
- 動体視力:動いている物を視野の中心で捉える力
- 立体視力・深視力:奥行きや距離感を正確に感じる力
- 周辺視:広い視野で全体を把握する力
- 瞬間視:一瞬のうちに焦点を合わせる力
- 視覚反応:動きに素早く反応する力
これらはスポーツ選手だけでなく、
一般の方にとっても「安全に動く」「転倒を防ぐ」「姿勢を保つ」ための
重要な土台となっています。
■ 視覚は「感覚」と「運動」の融合
視覚は大きく分けて2つの要素で構成されています。
- 感覚機能(Sensory function)
外界の刺激を角膜・網膜から脳へ伝え、映像として処理する機能。 - 運動機能(Motor function)
両眼の動きを協調させ、ピントや焦点をコントロールする機能。
この2つが同時に働くことで、
私たちは「見て、感じて、動く」ことができるのです。
■ 現代人と「目の運動不足」
スマートフォンやパソコンの使用時間が増えた現代では、
目の動きが単一方向(近距離・一点集中)に偏っています。
結果として、
- 眼球運動の低下
- 周辺視の鈍化
- ピント調整機能の低下
が起こり、脳が空間を正しく認識できなくなります。
このズレを補おうとして身体が無意識にバランスを崩し、
首・肩こり、腰痛、膝痛などにつながるケースも多く見られます。
■ 「見る力」を整える=脳と身体を再教育する
視覚の機能を整えることで、
動作や姿勢の改善、反応スピード、集中力向上までが期待できます。
これは「ビジョントレーニング」や「感覚運動統合トレーニング」と呼ばれ、
近年、スポーツ科学・リハビリ・教育分野で注目されています。
目の使い方を整えることは、
筋肉を鍛える以前に、脳と身体の連携を整える再教育でもあります。
■ 横浜筋トレスタジオの取り組み
当スタジオでは、筋肉や関節だけでなく、
「感覚」「認知」「運動」を包括的に捉える感覚運動科学アプローチを導入しています。
身体の不調や動作のぎこちなさの背景には、
しばしば“見え方の偏り”や“空間認識のズレ”が隠れています。
そのため、視覚評価や眼球運動トレーニングを通じて、
脳の認知・身体感覚のつながりを再構築していくサポートを行っています。
■ まとめ
「見る力」は、単なる“目の性能”ではなく、
“脳の使い方”そのものです。
視覚機能が整えば、姿勢も安定し、
動きがスムーズになり、集中力が高まります。
身体を変えたいと思ったら、まず“見る”を変えてみる。
そこから新しい身体の感覚の扉が開きますので、試してみてはいかがでしょうか。

