股関節の秘密と健康を守るために知っておきたいこと

1. 股関節とはどんな関節?

股関節は、骨盤の「くぼみ(寛骨臼)」と太ももの骨の「丸い頭(大腿骨頭)」が組み合わさってできる関節です。
イメージは「⚽️ボールと🥣受け皿」。

このシンプルな構造によって、股関節は体重をしっかり支えながら、前後・左右・回転といった多方向の動きが可能になります。
歩く・走る・しゃがむ・立ち上がるといった日常の動作から、スポーツのパフォーマンスまで、股関節はあらゆる活動に欠かせない“体の土台”なのです。


2. 股関節の角度と向きの秘密

股関節は単に「丸い骨がはまっている」だけではなく、角度や向きが絶妙に組み合わさって機能しています。

  • 骨盤のくぼみ(寛骨臼):外側・下側・前側に約45°傾き、さらに前に20°ねじれています。
  • 太ももの骨(大腿骨頭・頸部):骨盤に対して約125°でつながり、さらに前に15°ねじれています。

このように立体的で複雑なバランスがあるからこそ、股関節は「安定性」と「可動性」という、一見すると相反する機能を両立できるのです。


3. バランスが崩れると起きるトラブル

しかし、このバランスが崩れると股関節に無理な負担がかかり、痛みや機能障害の原因となります。代表的なものは以下の2つです。

(1)寛骨臼形成不全

骨盤のくぼみが浅く、ボール(大腿骨頭)がしっかりとはまらない状態です。
股関節が不安定になりやすく、長期的には「変形性股関節症」へ進行するリスクが高まります。

寛骨臼形成不全には以下のタイプがあります:

  • 前方が浅い「前方欠損型」
  • 後方が浅い「後方欠損型」
  • 全体的に浅い「全体欠損型」

特に全体型や前方型は、大腿骨のねじれ(前捻角)が大きいと不安定性が増しやすくなります。

(2)大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)

骨と骨が動作中にぶつかることで可動域が制限される状態です。

FAIには以下のタイプがあります:

  • 大腿骨側の変形 → カム型
  • 骨盤側のかぶりすぎ → ピンサー型
  • 両方の特徴を持つ → 混合型

特にスポーツ選手に多く見られ、股関節痛や動きの制限を引き起こします。放置すると関節唇や軟骨にダメージを与えるため、早期の対応が必要です。


4. 股関節の評価方法(例:クレイグテスト)

医療やトレーニングの現場では「クレイグテスト」と呼ばれる方法で股関節のねじれ具合(前捻角)を評価します。
うつ伏せで寝た状態で、太ももの外側にある「大転子」の位置を触診しながら調べるシンプルな検査です。

これにより、股関節がどの方向に傾きやすいかを把握し、動きのクセや将来のリスクを予測することができます。


5. 健康な股関節を守るために

股関節は「ほんの数度の角度の違い」で、安定性や動きやすさが大きく変わるデリケートな関節です。

だからこそ大切なのは…

  • 正しいアライメントを保つこと
  • 日常生活での動きのクセを改善すること
  • 早めのチェックとケアを行うこと

将来的な痛みや変形を防ぐためにも、股関節の健康を意識した生活習慣やトレーニングが欠かせません。


まとめ

股関節は体を支える土台であり、同時に自由な動きを可能にする特別な関節です。
その構造や角度を理解し、日常からケアを行うことは「健康寿命」を伸ばす大きな一歩になります。

腰や股関節に違和感がある方は、ぜひ専門家のチェックを受けてみてください。
当スタジオでも体験トレーニングを通じて、ご自身の体の状態を確認しながら改善のサポートを行っています。

👉 股関節を守ることは、未来の自分を守ること。
今日から一緒に整えていきましょう💪✨