11月から増える「ぎっくり腰」—ゴルフシーズンに多い理由と予防法

朝晩の冷え込みが強くなる11月。
この時期になると「腰を痛めた」「ぎっくり腰になった」という声が急に増えます。
実は、気温と筋肉・関節の働きには深い関係があり、特にゴルフを楽しむ方にとっては注意が必要な季節です。

■ 冷えと筋肉の関係

寒さによって体温が下がると、筋肉や関節は自然と“防御反応”を起こし、硬くなります。
特に腰回りの筋肉(大腰筋、脊柱起立筋、臀部の筋群など)がこわばると、
少しの動きでも筋繊維や筋膜が引き裂かれるような状態になり、いわゆる「ぎっくり腰」が起こりやすくなります。

ゴルフでは、アドレス時の前傾姿勢やスイングの回旋動作で腰部に大きな負担がかかるため、
寒い季節のラウンドや練習は特にリスクが高まります。

■ ゴルファー特有の「ぎっくり腰」パターン

ゴルファーのぎっくり腰は、多くが「回旋+伸展」動作によって起こります。
つまり、スイングで体をひねりながらフィニッシュへ持っていく瞬間、
硬くなった腰部筋群が耐えきれず“ピキッ”と損傷するパターンです。

また、以下のような要因も重なりやすい時期です。

  • 朝一番のティーショット(体が温まっていない)
  • 冷たい風の中で長時間のラウンド
  • 練習量が増える(冬のスイング改造など)
  • 運動後のケア不足(ストレッチ・アイシング・入浴)

■ 応急処置:温める?冷やす?

「ぎっくり腰になったら温める?冷やす?」という質問をよく受けます。
急性期(発症から48時間以内)はアイシングが原則です。
炎症や腫れを抑えるために、冷やすことで痛みの拡大を防ぎます。
温めるのは、炎症が落ち着いてから(2〜3日後)です。

ゴルフの途中で痛めた場合は、すぐにラウンドを中止し、
腰を冷やして安静にすることが大切です。無理に動かすと症状が悪化します。

■ 予防のポイント

ぎっくり腰は「突然」起こるようでいて、実は日頃の姿勢・呼吸・筋膜の硬さが根本原因になっていることが多いです。
特にゴルファーに意識してほしいのは以下の3点です。

  1. プレー前のウォームアップ
    股関節・胸郭・背骨の可動域を広げ、腰の代償動作を減らす。
  2. 呼吸の再教育
    横隔膜を正しく使うことで腹圧を安定させ、腰部への負担を軽減。
  3. 体幹と臀筋の強化
    腰を支える筋群(大臀筋・中臀筋・腹横筋)を鍛えることで、
    スイング時のエネルギーを効率よく伝達できる。

■ ピラティス×ゴルフ=最高の予防法

当スタジオでも多くのゴルファーがピラティスを取り入れています。
ピラティスは、呼吸と体幹の安定性を同時に高める運動療法です。
「スイング時の軸が安定した」「腰の痛みが出なくなった」という声も多く、
ぎっくり腰予防には最適なメソッドです。


■ まとめ

11月からの季節は「冷え」「運動不足」「疲労の蓄積」が重なりやすい時期。
特にゴルフを楽しむ方は、
ウォームアップ・体幹トレーニング・ピラティス・セルフケアの4点を意識することで、
“突然のぎっくり腰”を未然に防ぐことができます。