女性の年代別身体的変化

男女ともに「ライフステージ」というものが存在しています。

女性はライフステージによってホルモンの変動が起きて来ますので、今回はその紹介も含めてご紹介いたします。

まず、女性のライフステージには「小児期・思春期・性成熟期・更年期・老年期」の5つに分類されています。

前回でもご紹介させていただいた「エストロゲン」「プロゲステロン」という2つのホルモンの存在があり、これらのホルモンの変動に伴って、身体にも変化が生じてきます。

両者の中でも特に「エストロゲン」は生涯通じて、大きな変動があります。

様々なライフステージの中でも、エストロゲンの変動が大きい時期は「思春期」と「更年期」であります。

エストロゲンの値は小児期が最も低く、思春期に上昇して、性成熟期には安定して、閉経後には急激にエストロゲン量が低下するという特徴があります。

それでは、小児期のライフステージについて詳しく見ていきましょう。

小児期は卵巣から分泌されるエストロゲン量は低い状態であります。

「性腺刺激ホルモン」「放出ホルモン」はエストロゲンによって抑制されています。

7〜9歳くらいまで成長すると、脂肪細胞から放出される「レプチン」が増加します。

この「レプチン」はそれまで抑制されていた「性腺刺激ホルモン」「放出ホルモン」を逆に促進させる作用があります。

これにより、脳下垂体からの「卵胞刺激ホルモン」、卵巣からの「エストロゲン」が増加してきます。

違う表現をしますと、「エストロゲン」が増加することで「性腺刺激ホルモン」「放出ホルモン」の抑制能力が低下するとも言えます。

そして、脳下垂体からは「卵胞刺激ホルモン」「黄体形成ホルモン」、卵巣からが「エストロゲン(卵胞ホルモン)」「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の分泌量が増加することで、徐々に思春期が開始されていきます。

このような生理的観点からも、小児期の女の子で少しふっくらして脂肪が多い子の方が月経が始まるのが早い理由でもあります。

続いて、思春期についてです。

日本産婦人科学会が定めている「思春期の定義」というものがあります。

それによりますと約8歳〜約17歳くらいのことをさしており「性機能の発現開始、すなわち乳房発育並びに陰毛発生などの第二次性微出現に始まり、初経を経て第二次性微が完成し月経周期がほぼ順調になるまでの時期」と定義しております。

この思春期における成長と共に、エストロゲンは大きく関与しており、エストロゲンちの上昇と共に「乳房の発育」「陰毛の発生」「身長の伸び」「皮下脂肪の増加」「初経」という順番で身体が成長して大きくなっていきます。この初経による日本の平均年齢は12.3歳の頃と言われております。

続いて、思春期における「骨量」についての変化です。

12〜14歳の頃が1年間の骨量増加が最も高く、20歳の頃には最大の骨量を獲得することになります。

この思春期の頃に、全身と腰椎の35%、大腿骨頸部の27%を獲得していきますので、この時期いかに骨量を増やしていくかという為に、どのような「生活様式」「運動」を行うかは、とても大切な観点でもあります。結果的に年齢を重ねていくことでリスクとなる「骨粗鬆症」の予防、「容易に骨折しない」事に繋がっていきます。

この時期における見受けられる婦人科疾患は「無月経」「月経不順」「思春期遅発症」「排卵障害」「月経困難症」「卵巣嚢腫」「摂食障害」などが考えられます。

思春期を経て、生殖可能な時期である20〜40代後半までを「性成熟期」と言います。

この時期は様々なライフスタイルの変化が起きる時期でもあります。

例えば、結婚、妊娠、出産、育児などを通じて女性の心身において最も成熟する時期だとも言われています。

この「性成熟期」の身体の変化として「安定した月経周期がある」「妊娠しない場合は月経周期に伴って心身の変化が繰り返される」「分娩時の骨盤底の外傷は、年齢を重ねるごとに骨盤底周囲の障害に結びつく」「育児中の抱っこ、授乳においての腰痛を発症しやすい」などが見受けられます。

また、この時期における婦人科疾患として、子宮内膜症などの良性疾患、排卵障害、不妊症、月経困難症、月経前症候群などがあります。

女性が気になる「姿勢」においてもこの頃から変化が生じます。具体的には背骨(胸椎・腰椎部)の曲がりが大きくなります。胸椎の後弯が増大して、腰椎の前弯が減少してしまい、いわゆる「生理的湾曲」というものから徐々に逸脱していきますので、骨盤周囲の問題も生じやすくなります。

更年期においての身体のお悩みも様々存在します。

日本産婦人科学会の「更年期」の定義は次のような特徴があります。

「閉経の前後5年」「日本人の平均閉経年齢を考慮して45〜55歳」「閉経の数年前からエストロゲン分泌量が徐々に低下する」「更年期障害の症状として、頭痛・肩こり・冷え性などが出現する」など。

この年齢の方は当スタジオに多く通われていますが、皆さん気にされるのがやはりご自身の「筋力」であります。

実際にこの「筋力の低下」は「変形性膝関節症の有病率」と関係性が強く、60代の頃から筋力は低下しやすくなってきます。握力低下に関しては50代からおきますので、この頃から将来を見据えた筋力トレーニングは必要だと言えます。

更年期で見受けられる婦人科疾患として「更年期障害」「排尿障害」「骨粗鬆症」などがあります。

60〜70代以上の「老年期」の特徴として、エストロゲンの慢性的な欠乏が続いており、臓器が下垂することで骨盤・膝が曲がり高齢者における身体の様々な問題を引き起こしやすくなります。

この時期に起きやすい、婦人科疾患としてはホルモンの影響で「高脂血症」「骨粗鬆症」「排泄障害」などがあります。

この他に、転倒しない為に必要バランス機能を司っている「前庭覚」「視覚」「体性感覚」の低下が起きやすい時期でもありますので、筋力に加えてこの三要素の機能低下が起きないトレーニングはお勧めです。

しかし、実際にこれらの感覚器を意識して鍛えることを推奨している施設はまだまだ少ないのが現状です。転倒予防の為に多くの老年期の方はフィットネスクラブに通いますが、元々「運動好きのための施設」がコンセプトである為、婦人科的疾患や内科的疾患に対して運動療法で改善できるというノウハウは持ち合わせていないのが現状であります。

一般的に転倒リスクは64歳を超えると増加して、男性よりも女性の方が転倒リスクが高いと言われており、骨粗鬆症による「脊椎骨折」「大腿骨頸部骨折」「橈骨骨折」は、男性よりも2倍以上高いという指標が存在します。

先日も当スタジオに通われている85歳の方が強風の日に、風に煽られて転倒してしまったのですが、とっさに反応出来た為に軽い打ち身程度で、かすり傷もなく、翌週にはいつも通りトレーニングにいらして「これですんだのもトレーニングのお陰」だと仰っておりました。

ぜひ、各ライフステージに合わせて、将来に向けてのトレーニングを始めてみませんか。

体験のお申し込みはホームページからお願いいたします。