女性ホルモンと身体管理

時代に経過と共に、女性における身体の変化にも影響があるようです。

そもそも「生活様式」「食生活」「文明的進化」など、様々な環境の変化によって、人間の身体にも変化が現れるのは自然なことなのかもしれません。

女性の月経周期においても、一昔前の女性は「初経が遅く、閉経が早い」「多産」「運動量が多い」という傾向があります。

一方で現代女性においては「初経が早く、閉経が遅い」「妊娠、出産回数が少ない」「生涯における月経回数が多い」「生涯の月経回数が400〜500回で昔の9〜10倍である」「月経困難症や月経前症候群などの月経に伴う疾患や、月経回数が増加することでリスクが高まる子宮内膜症などの頻度も高くなっている」、などという特徴があります。

日本産科婦人科学会は、「25日〜38日周期を正常月経周期」であり、これに当てはまらないものを「月経周期異常」と定めています。これに対して「周期が短い」「頻繁に出血がある」という場合は「機能性子宮出血」、「いつも間隔が40日以上」という場合は「希発月経」、「たまにしかこない」という場合は「無排卵性出血」、「3ヶ月以上月経がない」という場合は「無月経」という疾患が考えられています。

月経期間が3〜7日が正常な状態でありますが、8日以上続く場合は「過長月経」という疾患が考えられています。

月経血量に関しては、正常な状態が「50〜180ml」に対して、「極端に少ない」場合は「過少月経」、多い場合は「過多月経」が考えられています。

月経痛に関しての正常な状態は「軽い腹痛、腰痛、頭痛」などですが、「生活に支障をきたすほどの痛み、吐き気を来す」場合は「月経困難症」という疾患が考えられています。

妊娠しやすい時期の女性の身体の卵巣皮質には、様々な種類の卵胞が存在しています。

ほとんどが「未成熟な原始卵胞」であります。

この原始卵胞は胎生期には最大となり、出生後は減少し続けます。

そして、閉経期にはほぼ消失していきます。

卵巣の中になる原始卵胞は左右で約50万個も存在しておりますが、生涯の間に排出されるものはこのうち約450個しかありません。

原始卵胞から胞状卵胞に成長して、大きさが1.5~1.8mmに成熟していくと、卵巣の表面で突出するような形となり、次第に卵巣の表面を破り、卵子として卵胞液と一緒に骨盤腔内に排出されていきます。

ちなみにこの時の卵子の直径は約0.2mmとされています。

排卵期から月経mの期間の間についてです。

排卵後、3〜4日経過すると、排卵膜は黄体となっていきます。

この段階では体内でエストロゲンとプロゲステロンが分泌されていきます。

この状態から受精が起こらなければ、10日後には変性及び吸収が行われて「黄体」から「白体」となり閉鎖していきます。

「白体」に変化するに従い、プロゲステロンは分泌されなくなります。

そうすると、子宮の内膜は妊娠に備えておく必要がなくなるので剥がれて落ちていきます。

この内膜が剥がれ落ちたものが、月経の経血となります。

逆に受精が起これば黄体は次第に増大していき、妊娠黄体となっていきます。

続いて、女性が気になる月経周期での「食欲」についてです。

排卵期では、脳の視床下部に存在しているエストロゲンに着目する必要があります。

なぜなら、エストロゲンは食欲中枢を抑える働きがあります。

そして、このエストロゲンの分泌量がピークに迎える排卵期は食欲があまり湧かず、それに伴い食事の摂取量も低下するという特徴を持ち合わせております。

逆に、月経前の黄体期には食欲が増える傾向があります。

黄体期は、エストロゲンとプロゲステロンが同時に分泌されていきます。

元々、エストロゲンは食欲を抑える効果がありますが、プロゲステロンが同時に分泌されることで、その効果が打ち消されて、結果的に食欲が増進されていく傾向にあります。

お通じに関しても、エストロゲンとプロゲステロンの両者は関与しております。

エストロゲンは「腸管の螺旋運動を促す」作用を持っており、プロゲステロンは「腸管の螺旋運動を抑える」作用がありますので、プロゲステロンが多く分泌される黄体期では便秘がちになる時期と言えます。

続いて、月経周期の精神面についてです。

プロゲステロンが多く分泌される「月経前3日〜10日間の黄体期」では「精神的にイライラ」「のぼせ」「お腹の張り感」「お腹の痛み」「腰痛」「頭痛」「怒りっぽくなる」「気持ちが落ち込みやすい」などの症状が現れますが、月経が始まって徐々にこのような症状も弱くなり、治まってきます。

月経期から卵胞期にかけて徐々にエストロゲンが分泌されくることで「気持ちが明るくなる」「やる気が出る」「食欲がコントロールできる」などの変化が生じてきます。

最後は「むくみ」についてです。

黄体期に分泌される「エストロゲン」「プロゲステロン」の2つのホルモンには「水を溜め込む」という作用があります。「プロゲステロン」と「エストロゲン」の両者の濃度が最も高くなるのの黄体期でありますので、この期間中は誰もが「むくみやすい」という性質を持ち合わせています。

また、先ほど述べたように黄体期は食欲を亢進させる「プロゲステロンの分泌増加」も合わさり、1〜2kgの体重増加をしやすい時期でもあります。

ダイエットや体調管理において、月経周期をうまく活用することもお勧めです。

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