日米で異なる「発達障害の子どもへの支援」と学校環境の違い

はじめに

先日、お客様との会話の中で「アメリカのインターナショナルスクールと日本の小学校に同時に通っているお子さん」のお話が出ました。

その際に「発達障害のある子どもへのサポートや教育環境は、日米でどのように違うのか?」というテーマになり、改めて調べてみました。

アメリカの取り組み

法制度と支援の仕組み

アメリカでは IDEA(障害者教育法) に基づき、発達障害のある子どもにも 無償で適切な教育(FAPE) を保障しています。

必要に応じて 個別教育計画(IEP) が作成され、理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語療法士(ST)が関わることも一般的です。

また、体育の授業(PE) も「Adapted PE(特別にデザインされた体育)」として個々の特性に合わせて行われます。

運動療法の活用

  • ADHDの子どもには、有酸素運動(ランニング、サイクリング、水泳など)を 週3〜5回、1回50〜90分、6〜12週間 続けると、集中力や実行機能が改善する研究結果があります。
  • ASDの子どもには、ボールゲームや武道・ダンスなどが有効で、常同行動や社会性に良い影響が報告されています。水中運動(アクアセラピー)も、運動能力や社会的スキルを高める可能性があるとされています。

学校環境の工夫

  • 視覚的スケジュールやカードで見通しを持たせる
  • ルールを簡素化し、達成感を得やすくする
  • 静かに休める「クールダウンコーナー」を設ける
  • 軽量のボールや大きな的など、用具を工夫する

こうした「ユニバーサルデザイン」の考え方を取り入れ、すべての子どもが参加しやすい環境を整えています。

日本の現状と課題

日本でも「特別支援教育」や「合理的配慮」が進んでおり、通級指導や特別支援学級の利用は年々増えています。

しかし現場では、

  • 教員の長時間労働により、個別対応に割ける時間が少ない
  • スクールカウンセラーが非常勤・巡回で、継続支援が難しい
  • いじめ・不登校が過去最多となり、学校全体の支援体制が追いついていない

といった課題が指摘されています。

まとめ

アメリカでは「運動療法」と「環境づくり」を組み合わせる仕組みが制度として根づいており、子どもたちの成長に大きく貢献しています。

日本でもまずは小さな工夫から取り入れることが可能です。

  • 視覚的なサポート
  • 小さな成功体験を積み重ねる運動
  • 静かに安心できる居場所づくり

これらは、発達障害のある子どもだけでなく、すべての子どもにとって学びやすい環境づくりにつながります。

👉 このテーマはスタジオでも大切にしている分野です。子育てや教育に関心のある方は、ぜひ体験や相談を通じて一緒に考えていきましょう。