押す種目の効果

上半身や下半身を押す種目(プッシュエクササイズ)は、多くのメリットや目的があることを把握して日々のトレーニングや健康づくりに役立たせることも可能であります。

スポーツで言えば、野球の打撃時にバットでボールを撃つのも「プッシュ(押す)動作」でありますし、空手の組み手で相手に向けての突きも「プッシュ(押す)動作」であります。

この「プッシュ(押す)動作」というのはスポーツを行なっていなくても、日常生活でも必要且つ大切な要素が非常に多く含まれています。

これをより理解するためには「呼吸の理解」が大切となりますので、「腰痛」「肩こり」「不良姿勢」「慢性的な疲労」などの人たちがどのような「呼吸」を行なっているのか、ということから解説していきます。

先ず呼吸の状態と姿勢の状態は繋がっているということを理解しておきましょう。息を吸うと身体は反る方向に向かい、息を吸うと身体は丸まる方向に向かうのですが、多くの方が身体を反らした状態で止まってしまっています。

呼吸においては「息は吸うけど、息を吐けない」状態におります。

この状態ですと腰に着目をした場合、腰椎の過剰な反りが生じて腰に対する「圧迫ストレス」あるいは「剪断ストレス」が起きる可能性が非常に高くなります。自律神経レベルでは「過剰な緊張」「交感神経優位」となります。

このような姿勢で日常生活を送っては当然本来の能力が発揮されず、パフォーマンス低下に繋がります。理想的には息を吐く(身体を丸める)、息を吸う(身体を伸ばす・反らせる)ことを環境などに合わせて両方に行けるようにする為に中間の状態であることであります。

しかし、先ほど述べたように多くの方が「息を吐けない=身体が過剰に反り上がったままの状態」になっている人が多く見受けられます。

肋骨に着目するのであれば前側が上に上がって、後ろ側が下に下がっている状態です。

メタボ体型の人のようにお腹を突き出す姿勢を想像するとイメージがつきやすいかと思います。

本来肋骨は前側に膨らんで欲しいのですが、前側の肋骨が上側に上がり、後ろ側の肋骨が下がることで、首が肋骨を引っ張り上げるような形になり、日常ではあまり働いて欲しくない「首周りの筋肉」や「肩周りの筋肉」が常に働いてしまい肩凝りの要素を作り出してしまいます。

下側の肋骨も同様に上に引っ張れてしまい、腹筋も伸ばされてしまい「腰痛」「お腹周りの弛み」「体幹の不安定性」に繋がってしまいます。

やや細かくなりますが、後ろ側の肋骨が下に下がるということは、心臓の後ろ側にある「後縦隔(こうじゅうかく)」が膨らまなくなり、連鎖反応として肩甲骨と肋骨の密着度合いが減少してしまいます。この状態になりますと肩甲骨の不安定性が生じた結果、肩の関節の痛みを生じてしまう可能性が非常に高くなります。

このような問題に対して「上半身や下半身を押しながら息を吐く」ことが含まれているエクササイズがとてもお勧めです。

健康づくりの参考になれば幸いです。