膝OA(変形性膝関節症)の方へ ― 運動療法は「薬」に勝る第一選択肢です

変形性膝関節症(膝OA)は、「膝の軟骨がすり減る病気」として知られていますが、実際には筋力低下・柔軟性の低下・姿勢や動きの乱れ・脳の痛み処理の変化が複雑に関わっています。そのため、薬や注射だけに頼るのではなく、運動療法が世界中のガイドラインで“第一選択の治療”として推奨されています。

1. 筋トレ(レジスタンストレーニング)の効果

コクランレビュー(2024年更新)を含む多数の研究では、大腿四頭筋や殿筋など下肢筋の強化によって、膝OAの痛みが軽減し、歩行や階段昇降などの機能が改善することが明確に示されています。6〜12週間の筋力トレーニング継続で、筋力向上とともに日常生活のパフォーマンスが改善するというエビデンスが積み重なっています。

2. ストレッチ(柔軟性改善)の効果

膝OAの方では、大腿前面・後面・股関節周囲の筋肉が硬くなり、可動域が制限されることが痛みや歩きにくさにつながります。ストレッチを取り入れることで、関節周囲の柔軟性を改善し、膝の動きがスムーズになり、歩行効率が向上します。国際的な臨床試験では、ストレッチ単独でも痛みの軽減効果が報告されており、筋トレとの組み合わせでさらに効果が高まるとされています。

3. ピラティスの効果

2025年の最新の系統的レビュー(RCT 8本・322人対象)では、ピラティスが痛み(VAS)や機能(WOMAC)を有意に改善することが示されています。特に、ピラティスは体幹の安定性と姿勢制御を強化するため、膝への負担を減らす点で有効です。さらに、ピラティスは呼吸や骨盤中立位を意識することで、**脳の痛み調整機能(中枢性感作の改善)**にも良い影響を与える可能性が示唆されています。

4. 「脳が活性化して痛みが和らぐ」科学的根拠

変形性膝関節症では、膝の関節だけでなく、脳の「痛みネットワーク」に異常が起こります。fMRI研究では、膝OAの患者は痛み刺激時に前頭前野(DLPFC)が過剰に反応していることが分かっています。しかし、12週間の運動プログラムを行うと、この過剰反応が抑えられ、痛みや不安が軽減することが確認されています。これは「運動が脳を再教育し、痛みをコントロールする力を取り戻す」という重要なエビデンスです。

5. 運動誘発性低痛覚(Exercise-Induced Hypoalgesia, EIH)

筋トレや有酸素運動をすると、内因性オピオイドやエンドカンナビノイドと呼ばれる脳内物質が分泌され、痛みを和らげます。これを「運動誘発性低痛覚(EIH)」と呼び、膝OAでも適切な強度の運動で痛み閾値が上昇することが分かっています。つまり、「少し頑張る程度の運動(NRS 2〜5/10)」が脳を刺激し、自然な鎮痛作用を引き出すのです。

まとめ

  • 筋トレ:最もエビデンスが強い。6〜12週間で痛み・機能・筋力改善。
  • ストレッチ:関節の可動性を広げ、筋トレ効果を高める補完療法。
  • ピラティス:体幹と姿勢を整え、膝への負担を減らしつつ脳の痛み調整機能もサポート。
  • 全てに共通:運動によって脳が活性化し、痛みが和らぐ。続けることが最も重要。

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