知られざる猫背姿勢の実態

こんにちは!横浜筋トレスタジオの宮原崇です。

背中が丸まっている人に対して、いきなり「背中が丸いから背筋を鍛える」という考え方はもしかしたら、間違いかもしれない、というお話です。「頭が前に出ている姿勢」に対して、「顎を引いて、首をまっすぐ」というアドバイスをしても数秒後には元の姿勢に戻ることが大半です。この理由として、運動指導者や医療従事者の中では「頭が前に出る、背中が丸まるのは代償動作の一つ」として、捉えることが多いです。

一体なんの代償動作なのでしょうか?

実は「背骨や肋骨の反りによる代償動作」として考えられています。「え?逆じゃないの?」「背中自体の丸まりによって、姿勢が崩れが起きていのでは?」という印象が強いかもしれませんが、実は横から見た時に頭が前に出ている姿勢の方は「腰、背骨、首の下に過剰な反り」だ表出していて、頭も後ろに傾くと、全身がそのまま後ろに倒れてしまいますので、そうならない為に、代償として頭が前に突き出た姿勢になります。その為、姿勢が崩れて頭が前に飛び出して、いわゆる「猫背」の人も先ずは背骨が曲げられる能力を向上させることから始めていくことがお勧めです。やり方は立った状態で首から順番に背骨を丸めていく「スタンディングロールダウン」という種目が道具を使わずに重力を活用できます。

中高年の男性の多い姿勢として、お腹を突き出して、腰がものすごく反っている姿勢です。腰痛や肩痛、ひざ痛にお悩みの男性に多いのですが、英語では「Inhalation Schema」と表現されます。Inhalation=吸気 Schema=姿勢 

具体的には息を吸って全身を反らした姿勢から戻れない方を指しているのですが、このような方は息を吐くことがとても苦手であり、自律神経でも交感神経がやや優位な面も持ち合わせています。このような姿勢の方が呼吸機能の改善を行わずに、フィットネスクラブで腹筋や背筋運動で強い負荷をかけることは背骨などに対して大きなリスクが伴います。

身体を反らせて、息を吸うことがわるい訳ではなく、大切なのはそこから身体を曲げて、息も吐くことができることが必要であり、どの方向どのような姿勢にも制限なくいくことができて、極端な自律神経の状態や呼吸パターンもなく、常に上下左右斜めの身体の動作に伴い、呼吸の仕方もそれに合わせて変化を起こせることが身体の内外の健康にとって必要な要素になりますので、健康づくりの参考になれば幸いです。