高齢者の転倒予防に必要なのは「筋力」だけではない
日本は世界有数の長寿国ですが、その一方で大きな課題となっているのが 高齢者の転倒と骨折 です。
転倒をきっかけに骨折・寝たきりへ移行し、介護が必要になるケースは少なくありません。これを防ぐために「筋力を鍛えること」がしばしば強調されますが、実際には 筋力だけでは不十分 です。
転倒を防ぎ、自立した生活を守るためには、視覚・前庭覚・体性感覚 という「感覚のシステム」を鍛えることも同じくらい重要なのです。
視覚・前庭覚・体性感覚とは?
👀 視覚
段差や障害物を発見し、歩行や動作の安全を確保するのに不可欠です。加齢とともに視力やコントラスト感度が低下し、転倒リスクは約2倍になると報告されています(Lord et al., 2007, Age and Ageing)。
👂 前庭覚(平衡感覚)
耳の奥にある三半規管が頭の動きを感知し、体のバランスをコントロールします。しかし70歳以上では約35%に前庭機能の障害が見られる(Agrawal et al., 2009, Arch Intern Med)とされ、歩行中のふらつきや方向感覚の低下につながります。
🦶 体性感覚
足裏の感覚や関節の位置感覚は「今どのように立っているか」を脳に伝えます。これが低下すると、バランスを崩しても適切な反応ができず、転倒の大きな要因となります(Maki & McIlroy, 1996, J Gerontol)。
筋力と感覚を統合した運動が効果的
多くの研究では、筋力トレーニングに加え、
- 不安定な床での運動
- 目を閉じたバランス練習
- 頭を動かしながら歩行する訓練
など、感覚系に刺激を与えるトレーニングを組み合わせることで転倒率が有意に低下する と報告されています(Sherrington et al., 2019, Cochrane Review)。
つまり「筋肉を鍛える」だけでなく、「感覚を鍛える」ことこそが転倒予防のカギになります。
当スタジオの取り組み
私たちのスタジオでは、単なる筋力強化ではなく、
✅ 呼吸・視線・バランスなどを取り入れた神経系エクササイズ
✅ 不安定面でのピラティスや感覚統合トレーニング
✅ 高齢者の身体に合わせた安全かつ効果的なプログラム
を実践しています。
「筋力+感覚」=転ばない体づくり を通して、旅行・趣味・日常生活を安心して楽しめる体へ導きます。
👉 ご興味のある方は、ぜひ一度体験にいらしてください。