骨盤を整えるだけでは足りない。きれいなボディラインは「安定」で決まる(第1回)
きれいなボディラインを作るには、骨盤を整えることが大切。これは多くの方が聞いたことがあると思います。
ただ、実はここで終わってしまうと、形は一時的に整っても、日常生活ですぐ戻ってしまうことが少なくありません。
ポイントは、骨盤をニュートラル(真ん中の良い位置)に戻したあとに、その位置で安定させる「機能」を取り戻すこと。
この「安定する力」が戻ると、立ち姿がきれいになり、ウエストやヒップのラインも整いやすくなります。
今回はまず、骨盤が安定する仕組みを、女性にもイメージしやすい形で整理します。
骨盤は「骨」ではなく「関節の集まり」
骨盤は骨のかたまりに見えますが、実際は関節の集まりです。
左右の骨盤の間に仙骨(骨盤の真ん中の骨)があり、仙腸関節という関節でつながっています。
さらに骨盤の上には背骨(腰椎)が乗り、下は股関節につながります。
つまり骨盤は、上(背骨)と下(股関節)の間で、常に動きながらバランスを取っている部分。
だからこそ、正しい位置に整えた後に「崩れないように支える力」が必要になります。
骨盤を支える中心は「ローカル筋」
骨盤を安定させる中心メンバーは、深いところにあるローカル筋です。
例えるなら、体を支える土台の見えない支柱のような存在です。
中心になるのは次の4つ。
多裂筋(背骨〜仙骨を細かく支える)
腹横筋(お腹のコルセット)
骨盤底筋(骨盤の底のハンモック)
横隔膜(呼吸で腹圧を作る筋肉)
ここに内腹斜筋・外腹斜筋などが加わり、さらに股関節周りの筋肉が合わさることで、骨盤はより安定していきます。
多裂筋:背骨と骨盤のつなぎ目を揺らさない
多裂筋は、背骨のすぐ近くにある深い筋肉で、背骨と骨盤のつなぎ目を細かく支えています。
ここが弱いと、骨盤が安定しないというより、背骨側が小さくグラつく感覚が出やすくなります。
たとえば、立っていると腰が落ち着かない
片足立ちで骨盤が揺れる
力を入れると腰が反るか丸まる
こういう方は、多裂筋の働きが弱いパターンがあります。
腹横筋:ウエストを包む内側のコルセット
腹横筋は、お腹をぐるっと横に巻くようについている筋肉で、体幹をコルセットのように支えます。
ウエストラインにも関わるため、ボディメイクではよく注目されます。
ただし、腹横筋だけを頑張りすぎると、骨盤が安定しにくくなるケースがあります。
理由は、体は一つの筋肉だけが強く働くと、バランスを崩して別の方向へ引っ張られることがあるからです。
だから腹横筋は、多裂筋や骨盤底筋とセットで働かせる必要があります。
骨盤底筋:下から支える土台の床
骨盤底筋は、骨盤の底をハンモックのように支える筋肉群です。
ここが働くと、骨盤の下から支えられて、安定感が増します。
ただし、骨盤底筋も締めれば締めるほど良いというわけではありません。
締めすぎや偏りがあると、呼吸が浅くなったり、骨盤が硬くなったりして、逆に動きがぎこちなくなる場合もあります。
大切なのは、呼吸と連動しながら、必要な分だけ働かせることです。
横隔膜:呼吸が浅いと、骨盤は安定しにくい
横隔膜は呼吸の筋肉ですが、骨盤の安定に深く関わります。
息を吸うと横隔膜が下がり、体の内側の圧(腹圧)が作られます。
この腹圧が、腹横筋や骨盤底筋、多裂筋が働きやすい状態を作ります。
だから呼吸が浅い人ほど、体幹が安定しにくいということが起こります。
姿勢を整えたいのに、呼吸が浅いままだと、土台が安定しない。そういう状態になります。
結論:骨盤は同時に働くと締まって安定する
多裂筋、腹横筋、骨盤底筋。
これらを同時に働かせ、横隔膜(呼吸)で腹圧を整える。
この連動ができると、骨盤は効率よく締まり、正しい位置で安定しやすくなります。
逆に、腹横筋だけ、骨盤底筋だけ、のように一つだけに偏ると、安定しているつもりでもどこかで崩れやすいケースがあります。
次回(第2回)は、同じ体幹の安定でも、使い方によって見た目が変わる話。
くびれを作りやすい使い方と、強い負荷に耐える使い方の違いを整理していきます。

