息の吸いすぎによる身体の影響とは

おはようございます!横浜筋トレスタジオの宮原崇です。

私たちが日常で何も意識しなくても呼吸ができているのは、脳幹部にある呼吸中枢のお陰です。呼吸中枢が常に血中内の二酸化炭素濃度、pHレベルを監視しており、何か異常があれば呼吸の仕方に変化が出来るようにしてくれています。ここで大切なポイントがあります。呼吸中枢は「二酸化炭素」「pH」と比べて「酸素」に対しての監視レベルはやや弱いということです。その理由として血中内には酸素が二酸化炭素よりも沢山存在しており、数値でいうと約100mmHgありますので、これが50mmHgまで数値が低下しないと呼吸中枢は反応しないようになっています。それだけ体内における二酸化炭素の存在はとても重要視されています。

二酸化炭素は40mmHgの基準値から上下することで、呼吸中枢が反応するようになっています。40mmHg以上になると呼吸中枢の中にある「吸気中枢ニューロン」が反応して、呼吸の回数を増加させます。反対に40mmHg以下になることで、呼吸回数は減少となります。呼吸中枢から脊髄に指令がいくことで息を吸う為に必要な神経が反応して、呼吸で主となっている「横隔膜」「肋間筋」という筋肉が働くような仕組みとなっています。息を吸ったあとに自然と息が吐くことができるのも、「吸気中枢ニューロン」と「呼気中枢ニューロン」が常にグーとパーの関係性になっているからです。

世間の誤った認識の一つとして「息を沢山吸えば健康に良い」というものがあるかと思います。先ほど述べたように、実は息を吸いすぎることで、酸素と二酸化炭素のバランスが崩れやすくなりますので、注意が必要です。呼吸の回数が増加する(1分間に10回以上)ことで、呼吸補助筋である首回りの筋肉が過活動を起こしますので、肩こりや肩痛、腰痛の原因にもなります。呼吸回数が多くなることで、呼吸の主役である横隔膜もさすがに疲れてしまいますので、呼吸補助筋の仕事量が増えてしまうのはどうしても否めなくなります。息を沢山吸うことは酸素量を増やすことにも繋がりますので、結果的に二酸化炭素量が40mmHg以下となることで、体内のpHも7.4以上のアルカリ性に近づき、低酸素症のリスクが増大することになります。

その為、「息を沢山吸う」という行為は「免疫低下」「痛み促進」「全身のこわばり」「精神的不安定」「集中力低下」「動作不全」などにも繋がりやすくなりますので、息を吸う時のポイントは「息の音が自分と周りにも聞こえないくらい、ゆっくりと静かに」がお勧めとなります。健康づくりの参考になれば幸いです。