トレーナーが行う呼吸の評価方法とは
こんばんは!横浜筋トレスタジオの宮原崇です。
前回は運動指導の現場で身体の評価の一つとして、呼吸機能の適正化を見ていく上で大切な「ZOA=Zone of Apposition」という業界の共通用語が存在していて、それを評価することで、パーソナルトレーニングのプログラムの中で「身体に負担がかからない呼吸機能向上の割合を多くするプログラム」それとも「多くの割合を目的に沿ってあまり制限をかけずに、運動を進めていくプログラム」という選択肢がある程度、明確化になります。
今回は、肩こりや腰痛に悩みを抱えている方が、この「ZOA=Zone of Apposition」つまり、「横隔膜のアーチ」がない状態になることでどんなリスクがあるのか?
また、「ZOA=Zone of Apposition」の評価方法は実際に運動指導現場ではどのようにして、行われているのか?ということについてご紹介させていただきます。
ご興味ありましたら、ぜひご覧ください。
肩こりや腰痛に関してのお悩みの問題解決の糸口に、なるものが見つかるかもしれません。
先ずは「ZOA=Zone of Apposition」、日本語では「横隔膜のアーチ」が低下あるいは、ない場合のリスクとして、
「呼吸時に首回りの筋肉の過活動による、首の動きの低下」
「呼吸時に肩周りの筋肉の過活動による、頭痛や肩こりのリスク向上」
「深く長い呼吸ができなくなり、浅い呼吸になる」
「呼吸の回数が増加する」
「腰骨(腰椎)の圧迫ストレスが増加する」
「反り腰の症状が増加する」
「お腹周りの圧力が低下して体幹の不安定性が増加する」
「背中、腰回り、もも前、ふくらはぎなどの筋肉の働きすぎに繋がる」
「上記の筋肉の働きすぎによって、腰痛やひざ痛のリスクが向上する」
「気持ちの落ち着きがなくなる」
などが考えられます。
これらのリクスを回避するためには、そもそも、横隔膜のアーチが獲得できていて、日常的に呼吸の仕方に問題がないか、ということをご自身の中で把握することがお勧めです。
前回の記事でお伝えしたように、肋骨がバコッと飛び出ているかどうかをご自身の手で触って確認する方法もあるのですが、もう少し正確性を出すためには専門家の力を借りるのもの、一つの方法かもしれません。
実際には、3つの方法で「ZOA=Zone of Apposition」、日本語では「横隔膜のアーチ」が低下が起きていないか、を評価していきます。
3つとも共通していますのが、評価をされる方は仰向けになり、両ひざが90度になるように椅子や台の上にあしを乗せた体勢になります。
1つ目の方法が、眼で肋骨の盛り上がり具合、肩周りの緊張具合を見ていきます。この時点で肋骨がボコッと飛び出している、腰が反っている、全身の緊張状態が眼で確認できれば、横隔膜のアーチが低下していることをこの段階で疑います。
2つ目は眼で全身の状態を確認できましたので、実際に肋骨に手の平で触った状態を維持しながら、評価をされる方に息を吐いていただき、肋骨がしっかりと動くかを判断していきます。息を吐くと共に肋骨が動くようであれば、大丈夫なのですが、息を吐いてもあまり動きがない場合は、日常からかなり過呼吸状態、腰が反り返っている、ということが予測することが可能となります。
3つ目は片側の肋骨を骨盤の方向に対して、おさえます。評価をされる方はその状態から、息を吐き、吐ききったら息をゆっくり吸います。吸っている時に肋骨がおさえていた手を押し返す反応が出ましたら、これも正常な反応とはかけ離れていると判断します。その理由として、息を吸った時、空気は手でおさえらている側の反対側に入っていくのが本来の反応なのですが、これが反対側に空気が入らないと、手でおさえている側に空気を入れようとする反応が出ますので、その反発反応として、手を押し返すという結果に繋がります。
とてもシンプルな方法ではありますが、その後の呼吸改善における道筋が大きく変わりますので、とてもお勧めな方法となります。
健康づくりの参考になれば幸いです。