中高齢者の膝痛にピラティスは有効?「鍛える」より先に整えるべき理由
「歩くと膝が痛い」
「階段の下りがつらい」
「正座ができない」
中高齢になると、こうした“膝の悩み”はとても増えます。
一方で、多くの方が最初に思いつく対策は、湿布・注射・サポーター、あるいは「膝の筋トレをしよう」という方法です。もちろん、それらが役に立つ場面もあります。ですが、膝は“結果として痛くなっている”ことが多く、膝だけを鍛えても改善が進まないケースが少なくありません。
そこで注目されているのが、ピラティスを運動療法として活用するアプローチです。膝の痛みを「膝だけの問題」にせず、体の使い方全体を整えることで、日常動作が楽になる可能性があります。
そもそも、なぜ中高齢者は膝が痛くなりやすいのか?
膝痛の原因はひとつではありません。代表的には変形性膝関節症、半月板や軟骨の負担、筋力低下、体重増加などが挙げられます。
ただ、現場でよく見られるのは、画像(レントゲン)上の変形が軽度でも痛い人がいる一方で、変形があっても痛みが少ない人もいる、ということです。
ここで重要になるのが【膝に負担を集めてしまう“動きのクセ】です。
膝は「股関節」と「足首」の間にある関節です。
つまり、上(股関節)がうまく動かない、下(足首)が硬い・不安定、という状態があると、膝がその分まで頑張らされます。
例)
- 股関節が硬くて、立ち上がるときにお尻が使えない → 膝前側に負担が集中
- 足首が硬くて、しゃがむと踵が浮く → 膝が前に突っ込む動きになる
- 体幹が不安定で、歩行時に骨盤がブレる → 膝がねじれやすくなる
こうした状態で「膝の筋トレだけ」をしても、膝に負担がかかる動きが変わらないため、改善が遠回りになることがあります。
膝痛対策で大事なのは「強さ」より「使い方」
中高齢者の膝痛の多くは、
“膝が弱いから痛い”というより、“膝に負担が集まる使い方になっている”ことが背景にあります。
だからこそ必要なのは、
- 痛みを悪化させない負荷設定
- 関節の位置(アライメント)を整える
- 体幹・股関節・足部まで含めた連動を取り戻す
- その上で、必要な筋力をつける
という順番です。
この「整える → つける」の順番を得意とするのがピラティスです。
ピラティスが膝痛に役立つ3つの理由
1)膝に優しい負荷で、必要な筋肉を働かせられる
ピラティスは、姿勢と呼吸、体幹の安定をベースに「狙った筋肉を丁寧に使う」ことができます。
特にマシンピラティス(リフォーマーなど)は、バネ(スプリング)の補助により、
- 立位やスクワットがつらい人でも練習できる
- 膝に痛みが出にくい角度・範囲で動かせる
- フォームを崩さず反復できる
といったメリットがあり、運動が久しぶりの方にも適しています。
2)膝の負担を減らす「股関節・体幹」の連動を作れる
膝を守るうえで鍵になるのは、実はお尻(股関節周り)と体幹です。
ここが働くと、歩く・階段・立ち上がりなどで膝の負担が分散されやすくなります。
ピラティスは、体幹を固めるのではなく「必要な時に支えられる」状態を作り、股関節がスムーズに動く練習を積み重ねていきます。
結果として、膝の“ねじれ”や“突っ込み”が減り、日常が楽になることが期待できます。
3)痛みがある人が陥りやすい「動きの恐怖・回避」を減らしやすい
痛みが続くと、人は無意識にその動きを避けます。
すると、さらに筋力低下や硬さが進み、ますます膝に負担が集まる…という悪循環が起きがちです。
ピラティスは、負担をコントロールしながら「できる動き」を少しずつ増やしていくので、
怖さを減らしながら、動ける範囲を広げていくのに向いています。
こんな方は「ピラティス×膝痛ケア」が向いています
- 痛みが怖くて運動をやめてしまった
- 筋トレをすると膝が悪化する気がする
- 病院で「筋肉をつけて」と言われたが何をしていいかわからない
- 階段、立ち上がり、長時間歩行がつらい
- 体重や年齢のせいだと諦めかけている
※強い腫れ・熱感・急な激痛・ロッキング(膝が引っかかって動かない)などがある場合は、まず医療機関での評価が優先です。
実際の流れ:膝だけ見ない。動作から原因を整理する
膝痛の改善は「とりあえず鍛える」ではなく、
どの動きで、どこに負担が集まっているかを整理することが近道です。
当スタジオでは(例として)
- 姿勢・歩行・立ち上がり・階段動作などをチェック
- 股関節・足首・体幹の使い方を評価
- 痛みが出にくい範囲でピラティス(必要に応じてマシン)
- 日常で再現できるセルフケア・簡単エクササイズを提案
という流れで進めます。
まとめ:膝痛は「膝を鍛える」だけでは変わらないことがある
中高齢者の膝痛は、膝そのものの問題だけでなく、
股関節・足首・体幹の連動や動作のクセが関係しているケースが多くあります。
ピラティスは、膝に優しい負荷で、体の使い方を整えながら必要な筋力を育てていける運動療法です。
「痛みがあるから動けない」ではなく、
“痛みが出にくい動き方”を身につけて、できることを増やす。
この考え方が、膝痛ケアの現実的な第一歩になります。
体験・ご相談について
「私の膝痛もピラティスで良くなるの?」
そう思われた方は、まずは現在の状態を確認し、痛みが出にくい動き方を一緒に探していきましょう。
体験では、膝だけでなく歩行や立ち上がりなど日常動作を見て、あなたに合った進め方をご提案します。



